▼ ニュースのポイント
① 東京ガスが2021年度内にメタネーションの実証試験を開始へ
② CO2フリー水素とCO2を利用した合成メタンから都市ガスを製造
③ 将来的には地域のカーボンニュートラル化に向けた地産地消モデルの検討も
社会コストを抑制しながらも都市ガスの脱炭素化を実現
東京ガスが、2021年度内にメタネーションの実証試験を開始すると、7月7日に発表した。
メタネーションは水素と二酸化炭素(CO2)を原料としたメタン合成の呼称で、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に大きく貢献する技術の1つとして注目されている。CO2フリー水素とCO2を利用した合成メタンから、都市ガスを製造することで、既存の都市ガスインフラ・機器を有効活用できる上、追加的な社会コストを抑制しながらも都市ガスの脱炭素化が実現できるとされている。
今回はこのメタネーションの実証試験を、東京ガスが2021年度内に行っていくことを明らかにした。
「バイオリアクター」などの革新的技術開発も推進
同実証試験は、神奈川県横浜市鶴見区にある東京ガスの敷地内で実施。再生可能エネルギー由来の電力調達や、合成メタン製造・利用など、一連の技術・ノウハウの獲得に加え、水電解装置・メタネーション装置の実力値や課題の把握を行う。
また、日立造船株式会社が製造したメタネーション装置を使用し、性能評価(メタン製造能力や排熱量等)や課題抽出、メタネーションに関する革新的技術の評価も実施。複数機関と連携して、既存技術である「サバティエ」のほか、設備コスト低減が見込める「PEM(固体高分子電解膜)CO2還元技術」や、「バイオリアクター」などの革新的技術開発も進めていく。
こういった実証試験を経て、将来的には地域のカーボンニュートラル化に向けた地産地消モデルの検討や開発した技術の実証を行い、サプライチェーンの構築も目指す。
(画像はプレスリリースより)
東京ガス プレスリリース
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20210707-03.html▼ 会社概要
東京ガスは、東京ガスグループの経営ビジョンである「エネルギーとソリューションを暮らし、都市、地球の未来に」のもと、都市ガスや電気の製造・供給・販売を行うほか、エンジニアリングソリューション事業や情報処理サービス事業などを展開。海外においては上流事業、中下流事業も展開している。
会社名:東京ガス株式会社
代表取締役社長:内田 高史
本社所在地:東京都港区海岸1-5-20