検査工数を25%削減
富士通は3月29日、製造ラインの検査工程で使用する高精度の画像検査AI技術を開発したと発表した。
同技術では、製品の異常についての教師データとなる画像を準備しなくても、キズや加工ミスなどの外観の多種多様な異常を高精度に検出できるという。
同社ではこの技術を、電子関連機器を製造する富士通インターコネクトテクノロジーズ長野工場の検査工程に用いて検証し、プリント基板の検査工数の25%削減を確認したとしている。
AI復元画像と検査対象画像の差分で異常を検出
製造ラインの検査工程では作業の効率化に向けたAIの導入が進んでいる。だが、AIの一般的な学習方法では、個体ごとの多種多様な特徴(毛並み、色味、配線の形状など)を捉えることが困難だった。
今回の技術では、検査対象の画像に異常があった場合に、AIが異常を取り除いた正常画像を復元し、復元画像と検査対象の画像との差分を捉えて異常箇所を検出するという。
開発に当たっては、学習用の正常画像に人工的に多種多様な異常を付加し、AIには異常を取り除いた正常画像を復元できるように学習させた。AIが捉えきれていない特徴については、付加する異常の色や個数を制御しながら学習させたという。
さらに、5000種類以上の人工物を撮影した画像のライブラリから、さまざまな異常画像を生成してAIに学習させることで、多種多様な異常箇所を検出できるようになったとしている。
(画像はプレスリリースより)
富士通 ニュースリリース
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/03/29.html