▼ ニュースのポイント
①東芝がインフラ分野の専門文書を理解する文書理解AIを開発。
②一般用語と専門用語を少ない計算リソースで学習できる。
③検証では正解率89%で抽出し、学習時間を約97%削減。
「攻めの保守」実現を目指す
東芝は3月13日、工場やプラントなど、インフラ分野の専門的な文書を高精度に認識する文書理解AIを開発したと発表した。
インフラの保守点検では、対象設備に関する知識や過去の保守点検の経緯を把握する必要があるが、これらの専門データは、保守点検に活用できるほど十分に整理されていないという。
また、文書を理解する汎用言語モデルは計算規模が大きく、インフラ保守の現場では計算リソースの確保が難しかった。
今回のAIは、一般用語と専門用語を少ない計算リソースで学習でき、専門的な文書を高精度に理解する分野特化型の文書理解AI。
従来のAIでは認識できなかった熟練者の経験・知識が集積された専門データも活用でき、過去のトラブルやその対策などを高精度に抽出できる。これにより、インフラの事後保全の迅速化・効率化や予防保全を実現できるとしている。
正解率89%で抽出
同社では、電力設備の保守点検記録から、トラブルに関する表現を抽出する言語解析試験にて、同AIの有効性を検証。検証では、AIが学習時に使用する文書量を従来手法の1/100とした。
その結果、保守員が「対策」実施について記載した場所を正解率89%で抽出し、実用水準とされる正解率90%に迫る値となった。また学習時間は5時間となり、大規模な汎用言語モデルを使った従来手法の約1週間から約97%削減できることを確認したとしている。
(画像はプレスリリースより)
東芝 ニュースリリース
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