▼ ニュースのポイント
①日本アイ・ビー・エムなどで活動する「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」の取り組みを1年延長。
②実証実験でナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実用性を確認。
③視覚障がい者の自立した街歩きを支援するソリューション。
「共生社会」の実現へ
日本アイ・ビー・エムがアルプスアルパイン、オムロン、清水建設などの会員で活動する「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」を1年延長すると、1月25日に発表した。現在開発中のナビゲーションロボット「AIスーツケース」の社会実装に向け取り組んでいる。
東京都中央区の日本橋で「AIスーツケース」の実証実験が行われ、多くの視覚障がい者が自立した街歩きを実現する新たな技術の有用性を確認している。
視覚障がい者が自然に街を歩く
「AIスーツケース」は、視覚障がい者が独立した移動で日常の活動をスムーズに行うための自立型ナビゲーションシステム。自分一人で歩ける達成感や、人とぶつからずに移動して店舗や施設などを自由に歩けることを体感できる。
スーツケースのハンドルには操作ボタンと振動子、上部に壁や障害物との距離を計測するLiDAR、歩行者を認識する深度カメラを搭載。スーツケースの中にはバッテリー・GPU(画像認識)・PC(自律走行制御)・モーターがある。
より安全に歩行するために
日本アイ・ビー・エムは、衛星を用いたRTK-GNSS測位を活用して屋内外にまたがるルートの連続走行を実現した。また、早稲田大学と共に地図データが無い環境でも、通路の交差点を検出しながらナビゲートする技術の研究・開発もしている。
オムロンは周囲の歩行者の行動を事前に予測する技術を開発。周りの動きを予測して状況を使用者に伝えAIスーツケースの動作を制御する。
アルプスアルパインは新型のハンドルを開発し、ディスク型の方向提示装置で曲がる方向をより正確に直感的に提示することを可能にした。
今後も研究・開発を進め、表情を判別する最新の顔認識技術や、周囲との距離を保持しながら目的地へ誘導する測位・ナビゲーション機能、音声対話による店舗周辺検索や空間・状況認識機能などを活用し、情報提示や注意喚起で視覚障がい者の独立した移動・街歩きをサポートする。
(画像はプレスリリースより)
日本アイ・ビー・エム プレスリリース
https://jp.newsroom.ibm.com/▼ 会社概要
日本アイ・ビー・エムは、情報システムに関わる製品やサービスの提供を行う企業。
社名:日本アイ・ビー・エム株式会社
代表取締役:山口 明夫
所在地:東京都中央区日本橋箱崎町19番21号