▼ニュースのポイント
①ファンケルとキリンホールディングス、慶應義塾大学は、コンピューターを用い、洗浄剤がメイクを落とす性能を予測可能なシステムの構築に光明を見出した。
②この3者はAIを活用し、洗浄剤に関する新たな開発プロセスの研究を、以前から行っていた。
③同システムの計算結果に基づき、洗浄剤モデルを作成し、実際にメイク落としの性能を評価してみたところ、実際の洗浄率と予測洗浄率は概ね一致した。
メイク落とし性能を予測できるシステム
10月31日、ファンケルとキリンホールディングス、慶應義塾大学は、コンピューターを用い、洗浄剤がメイクを落とす性能を予測可能なシステムの構築に光明を見出したことを発表した。
この3者はAIを活用し、洗浄剤に関する新たな開発プロセスの研究を、以前から行っていた。
今回の研究成果は、9月に開催された「第 32 回 国際化粧品技術者会連盟ロンドン大会2022」において、発表している。
蓄積してきたデータを活用
化粧品や健康食品の研究開発を行っているファンケルは、市販のウォータープルーフアイライナーや人工皮革を用いて、メイク汚れの除去率や洗浄率を計算し、2016年から500以上の実測データを積み重ねてきた。
今回は、これまでに蓄積してきたデータを機械学習に使い、メイク落としの性能を予測可能なシステム構築ができないか検討。
洗浄剤の成分組成や洗浄率データだけでなく、使用した成分の分子構造などの情報も機械学習に追加したところ、高精度で洗浄力の予測が可能になった。
同洗浄率予測システムを活用し、10万通りの計算を行ったところ、さまざまな界面活性剤の中でも「ヘキサカプリル酸ポリグリセリル-20」は、メイク落とし性能が高いことが判明し、特定の成分を組み合わせることによって、より洗浄率が高くなることもわかっている。
この計算に基づき、洗浄剤モデルを作成し、実際にメイク落としの性能を評価してみたところ、実際の洗浄率と予測洗浄率は概ね一致した。
(画像はプレスリリースより)
ファンケル プレスリリース
https://www.fancl.jp▼会社概要
化粧品・健康食品の研究開発から製造、販売までを手掛ける企業。
会社名:株式会社ファンケル
代表:島田 和幸
所在地:横浜市中区山下町89-1