AR技術などを応用、多視点画像で情報をリアルに
Yahoo!JAPANは1月14日、同社の運営するインターネットオークションサービス「ヤフオク!」アプリにおいて、商品の多視点画像を撮影、登録できる「マルチビュー機能」をリリースした。
AR(拡張現実)技術などを応用し、自社開発を進めた機能で、多角的な角度からとらえた画像の生成にかかる時間を、従来の400分の1にまで短縮した。専用カメラなど特殊機材がなくとも、出品ユーザーが気軽にマルチビュー用の画像を撮影、投稿することができ、購入を検討するユーザーは、その商品を好きな視点からチェックできる。
ネットオークションやフリマサービスでは、商品の画像情報が落札や購入を考えるユーザーにとって、非常に重要な情報となる。そのため「ヤフオク!」にも、出品商品の特徴をより分かりやすくリアルに伝えたいという出品ユーザーの声や、商品をもっと違った角度からも見たいといった落札者の声が寄せられていたという。
そこでYahoo!JAPANでは、コンピューターによる視覚の実現を研究するコンピュータービジョンや、OS各社がそれぞれに提供する最新のAR技術開発フレームワークを応用し、アプリの機能として立体的な商品の多視点画像撮影を可能にした。iOS向けではAppleのARKitが、Android向けではGoogleのARCoreが用いられている。
出品はガイドに従って撮影するだけ! スワイプすれば見たい角度が思いのまま!
本来、多視点画像を生成するにはカメラキャリブレーション技術が必要で、膨大な手間と計算リソースが要求されるが、Yahoo!JAPANではこの課題を、ARアプリ開発フレームワークの活用によって解消させ、コストを削減、サービスの実現へとつなげた。
スマートフォンに搭載されたGPUを用い、CPU単独での処理と比較して、多視点画像生成にかかる時間を大幅短縮した点もポイントとなっている。
この「マルチビュー機能」を使って出品するユーザーは、アプリの出品方法で「マルチビューを撮影」を選択、商品を水平な場所に置き、カメラ画面上に表示されるガイドに従って中心点を計測したら、指示に沿うようカメラを動かしていけば良い。
「マルチビュー機能」による撮影がなされた出品には、専用のマークが表示され、閲覧ユーザーは出品商品の詳細画面でマルチビューのボタンをタップ、左右にスワイプすれば、好きな角度へ画像の表示を回転させることができる。
これまで以上に商品の特徴や状態を把握した上で、互いが納得した取り引きを行えるようになると見込まれる。
(画像はプレスリリースより)

Yahoo!JAPAN プレスリリース
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2021/01/14a/