▼ ニュースのポイント
①NEC、NECソリューションイノベータ、中部地方の児童相談所の3者が、児童相談所業務にAIツールを活用した実証を実施。
②対応の質向上約54%、業務時間削減約33%を実現。
③AIツール利用者へのアンケートでも高評価を得た。
相談業務にAIを活用し児童相談所職員の業務を軽減
NEC、NECソリューションイノベータ、中部地方の児童相談所の3者は5月30日、児童相談所におけるAIツール活用の実証実験を実施し、有用性について高い評価を得たと発表した。
児童相談所では、児童虐待の相談件数が年々増加し続け、これに伴い職員の業務量も増加している。しかし、定年退職などでベテラン職員は減少しているため、経験の浅い職員をどう定着させるかが課題となっている。
3者はこの課題解決に向け、児童相談所内のリスクアセスメントデータ約600件と、関係するベテラン職員のノウハウをAIに学習させ、AIが素早くレコメンドできるAIツールを開発。職員の業務負担軽減を目指した。
開発に当たり、AIの役割は、経験の浅い職員をベテラン職員と同様に動けるようサポートする「想像力をかき立てるAI」と定義された。また、虐待の初動対応である48時間ルールに基づき、面談記録などに音声入力を活用する「現場を邪魔しないAI」として設計された。
アンケートで5段階評価中4.4の高評価
実証実験では、新人職員などがAIツールを活用することで、「対応の質の維持・向上」の可能性や、音声認識AIによる「業務の迅速・効率化」についての効果検証が行われた。
実証の結果、初動対応の質が54%向上し、面談記録などに音声認識AIを活用することで、業務時間の33%削減を実現した。また、実証後に行った新人職員などへのアンケートでは、AIツールの有用性が5段階評価の4.4となる評価を得たとしている。
(画像はプレスリリースより)
日本電気 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000330.000078149.html▼ 会社概要
NECは、社会公共事業、社会基盤事業、エンタープライズ事業、ネットワークサービスなどを幅広く展開する企業。
社名:日本電気株式会社(NEC)
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