▼ ニュースのポイント
①NTTが市販のデジタルカメラで撮影したコンクリート構造物の画像からコンクリートの劣化を自動で検出・計測する技術を構築。
②劣化検出技術とスケール推定技術を用いて劣化を計測。
③実設備での検証で、実運用できる精度であることを確認した。
インフラ設備点検を低コスト化
NTTは4月27日、市販のデジタルカメラでコンクリート構造物を撮影し、その画像からコンクリートの劣化を自動で検出・計測できる劣化計測技術を構築したと発表した。
現在、トンネルや橋梁などのコンクリート建造物の点検では、補修の要否・優先度を判断するため、点検員が劣化の大きさを、メジャーや専用車両のレーザーなどで計測している。
しかし、点検員不足やコスト高などにより、簡易な機材で効率的に点検できる方法が求められていた。同技術では現行の計測が不要となるため、点検のコストを削減できるとしている。
劣化検出技術とスケール推定技術で劣化を計測
今回の技術では、劣化の場所(画素領域)を検出する劣化検出技術と、画像中の大きさを実サイズに換算するためのスケール推定技術が用いられた。
スケール推定技術には、汚れが付着していても劣化を正確に計測できるよう、独自アルゴリズムが用いられた。
実運用できる精度を確認
同社では、通信用のトンネルを対象に、スケール推定技術で画像スケールの推定を実施した結果、誤差5.7%で推計でき、既往技術の精度よりも約4割向上したという。
また同トンネルの露筋を対象に、劣化計測技術の性能検証も実施したところ、実寸との平均誤差は9.4%、最大誤差は17.8%で既往技術よりも大きく改善した。これにより、実運用に活用できることを確認したとしている。
(画像はプレスリリースより)
NTT ニュースリリース
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