▼ ニュースのポイント
①旭化成が企業間のデータを安全に連携できる分析プラットフォームを構築。
②NECの「秘密計算技術」を活用。
③企業間のデータ連携により材料開発の加速が可能。
NECの「秘密計算技術」を活用
旭化成は3月28日、企業間での共同開発の際、NECの「秘密計算技術」を活用することでデータ秘匿のまま安全に連携できる分析プラットフォームを構築したと発表した。同プラットフォームにより、情報の機密性が高い材料開発を加速できるとしている。
同社ではAI技術を応用して材料開発を効率化する取り組みの「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」を進めている。
これにより、社内ではデータ連携・活用によって素材開発期間を短縮できたが、社外との協業では、情報の機密性が高くデータ共有ができないため、開発期間が長期化していた。そこで同社では、個別のデータを共有せずにMIを実施できる分析プラットフォームを開発した。
データ暗号化のまま材料開発シミュレーションが可能
今回の分析プラットフォームは、NECが保有する秘密計算技術のうち、ハードウェアベースのTEE方式を活用して構築された。
TEE方式は、分析時間が比較的短く、プログラミング言語「Python」で書かれた既存の分析アプリケーションを秘匿化のまま動かすことができる。このため難解な秘密計算のプログラミングが不要となっている。
同技術を活用することで、原料情報や加工条件、評価情報などの重要なデータを暗号化したまま統合し、MI技術を活用した材料開発シミュレーションを実行できるという。
同社では、複数社が共同で材料開発に取り組むことで、開発期間の大幅短縮や革新的製品の開発が可能となるとしている。
(画像はプレスリリースより)
旭化成 ニュースリリース
https://www.asahi-kasei.com/news/2022/e230328.html▼ 会社概要
旭化成は化学、繊維、住宅、建材、エレクトロニクス、医薬品、医療などの事業を行う総合化学メーカー。
社名:旭化成株式会社
代表取締役:工藤 幸四郎
所在地:東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井タワー
▼ 会社概要
NECはシステムプラットフォーム事業、ネットワークサービス事業、パブリック事業、エンタープライズ事業を行う電機メーカー。
社名:日本電気株式会社(NEC Corporation)
代表取締役:森田 隆之
所在地:東京都港区芝五丁目7番1号