▼ ニュースのポイント
①JAISTらの研究チームが「共起バイアス」による影響を軽減するシステムを開発。
②人間がアノテーションを行うアテンション誘導システム。
③共起バイアスによる影響をワンクリックで軽減する。
人間がアノテーションを行うアテンション誘導システム
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)と東京大学の研究チームは3月30日、AIが学習する際の「共起バイアス」による影響を軽減する新たなシステムを開発したと発表した。
深層ニューラルネットワーク(DNN)による深層学習では、データセットの設計不備などにより、AIが対象を正確に識別できないなどの「共起バイアス」と呼ばれる現象が生じることがある。
共起バイアスを取り除くための手法は、これまでも存在したが、実行の難しさや高コストなどの理由から現実的とはいえなかった。
共起バイアスによる影響をワンクリックで軽減
今回開発されたシステムは、ユーザが画像にワンクリックで注釈をつけることでAIが正しい領域を判断できるようにするアテンション誘導システムを開発。これにより、DNNトレーニングの時間とコストを大幅削減できるとしている。
同システムでは、画像の識別したい部分を左クリックし、無視すべき部分を右クリックするという双方向システムも提案し、AIの識別部分をより正確にした。これにより、データセットの共起バイアスの影響を軽減した。
さらに、アノテーションが必要な画像数を減らすため、新たなアクティブラーニング方法も考案。この方法を用いた場合では、アテンション誘導に必要な時間が27%削減され、学習の正確性も大幅に向上したとしている。
(画像はプレスリリースより)
北陸先端科学技術大学院大学 プレスリリース
https://www.jaist.ac.jp/