▼ニュースのポイント
①岡山大学の河原祥朗教授が率いる研究チームは、両備システムズと共同でAIを活用した早期胃がんの内視鏡診断システムを開発し、そのシステムの有効性を検証した。
②胃がんにおける治療法の選択は、施術医の経験に左右されているのが実情。
③今回の検証結果により、早期胃がん診断に対するAI診断システムの有効性が証明されたと、河原祥朗教授は語っている。
早期胃がんのAI内視鏡診断システムを開発
11月6日、岡山大学の河原祥朗教授が率いる研究チームは、両備システムズと共同でAIを活用した早期胃がんの内視鏡診断システムを開発し、そのシステムの有効性を検証したことを発表した。
早期胃がんの治療法は大きく分けて2通りある。胃を温存可能な内視鏡治療と、胃を切除する外科的治療だ。
どちらの治療法を選択するかは、正確な病変深度の診断が不可欠であるが、手術を行う医師が画像を見て、自身の経験に基づいて診断を行うのが実情である。
診断を下す医師によって見解のばらつきがあり、本来選択すべきでない治療法を選択するケースも発生している。
早期胃がん診断に光明
岡山大学の河原祥朗教授が率いるチームと両備システムズは、2019年から早期胃がんの深達度診断を行う AI システムの共同開発を行っており、プロトタイプを構築後は改良を重ねて精度向上に努めてきた。
同大学は、内視鏡治療症例数が極めて多いことが世界でも知られている。
今回は最新のAI診断システムを活用し、早期胃がん患者200人に対して診断精度を行い検証した。
その結果、同システムによる粘膜内癌の診断精度は、正診率78.9%、感度84.9%、特異度70.7%。
粘膜下層浸潤癌における診断精度は、正診率83.8%、感度85.3%、特異度82.4%であった。
この検証結果により、早期胃がん診断に対するAI診断システムの有効性が証明されたと、河原祥朗教授は語っている。
(画像はホームページより)
岡山大学 プレスリリース
https://www.okayama-u.ac.jp/▼大学概要
「高度な知の創成と的確な知の継承」を理念に掲げる国立大学。
「岡山大学ダイバーシティ&インクルージョンポリシー」を制定し、すべての構成員が互いの価値を理解かつ尊重し合い、各々の特性を生かし成長する大学を目指している。
大学名:国立大学法人 岡山大学
学長:槇野 博史
本部所在地:岡山市北区津島中1丁目1番1号