▼ ニュースのポイント
①岡山大学資源植物科学研究所の長岐清孝准教授らが、AIによる画像の自動分類を、安価に容易にできる方法を開発した。
②この方法は3つのアプリとApple社Macを利用するというもので、プログラミングの知識は不要。
③この方法は、さまざまな研究の省力化に寄与する。
さまざまな研究の省力化に寄与
岡山大学資源植物科学研究所の長岐清孝准教授らが、AIによる画像の自動分類を、安価に容易にできる方法を開発した。この方法は、通常のアプリなどを組み合わせてApple社のMacで機械学習させるというもので、英国の専門誌「Chromosome Research」に10月14日付けで掲載された。
この方法を開発した長岐准教授は、以前にサンプル内の各種細胞数の数値化が必要となり、自身で6週間かけて数えた経験を持つ。このとき、自動で数えてくれる安価な機械が欲しいと思い、今回の方法を開発することになったという。
3つのアプリとMacで画像自動分類機を作成できる
従来、大量の画像を分類するには高価なコンピューターや専門家の助けが必要とされていた。また研究においては、専門家に依頼するのも憚られる些細な分類もあるという。
今回開発された方法では、3つのアプリとMacを用いることで、プログラミングの知識がなくとも、オーダーメードの画像自動分類機を低コストで作成することができる。
利用するアプリは、Apple社がアプリ開発者向けに無料公開しているCreate MLアプリと安価なRectLabelアプリ、さらに長岐准教授らが開発したCutSortアプリの3つという。
この方法は、さまざまな研究の省力化に寄与でき、特に「ちょっとした分類ニーズ」が多い研究には最適という。
(画像はプレスリリースより)
岡山大学 プレスリリース
https://www.okayama-u.ac.jp/▼研究所概要
岡山大学資源植物科学研究所は1914年に、大原美術館を創立した大原孫三郎により、農事の改善を目指す私立の研究所として設立されたが、戦後の農地改革で財政基盤を失い、昭和27年に岡山大学に移管された。
平成22年からは「資源植物科学研究所」となり、劣悪環境でも生育可能な作物の創出に向けた基礎研究を、国内外の研究者と連携して行っている。