▼ ニュースのポイント
①富士通が国内初となる船舶の衝突リスクを予測するAI技術を確立。
②同技術は、従来の衝突リスク予測に新たなアルゴリズムを加え、衝突リスクをより高精度に予測する。
③同技術を用いた実証実験では、不要な過剰アラートを約90%抑制できた。
複雑な航路での船舶同士の衝突リスクを予測
富士通は9月28日、湾内など複雑な航路における船舶同士の衝突リスクを予測するAI技術を、国内で初めて確立したと発表した。同技術を用いた海上交通管制業務における実証実験で、その有効性も確認したとしている。
世界では重大な船舶事故が相次いでいる。船舶事故は、船体や積み荷の損害、機会損失、物流停滞による損害など、人命や環境に大きな被害をもたらすことから、海上交通の安全性確保が重要課題となっている。
現在、衝突リスク回避として実用化されている技術は、航路の屈曲部にて不要なアラートが多発してしまうため、最終的には運用管制官の経験や技量に依存してしまっているという。このため特に、港付近や湾内などの混雑する海域にて、運用管制官を支援する技術が求められている。
実証実験で過剰アラートを約90%抑制
今回のAI技術では、AIによる従来の衝突リスク予測に新たなアルゴリズムを加え、衝突リスクをより高精度に予測することができる。これにより、屈曲部を含む航路全体での不要な過剰アラートを抑制し、船舶の衝突リスクが高いアラートのみを検知できるようになった。
同社と海上保安庁は2020年11月~2021年9月、東京湾海上交通センターにて同技術を活用した実証実験を実施。これによると、過剰なアラートを約90%抑制できたという。
同社はこの実証の成果により、海上交通管制や船上の見張り業務向けに、さらに強化したAI技術を適用し、2022年3月までに安全航行支援サービスの提供を目指すとしている。
(画像はプレスリリースより)
富士通ニュースリリース
https://pr.fujitsu.com/jp/news/2021/09/28.html▼ 会社概要
富士通は、通信システム、情報処理システム、電子デバイスの製造・販売などを行う総合エレクトロニクスメーカー、総合ITベンダー。
社名:富士通株式会社
代表取締役:時田隆仁
所在地:東京都港区東新橋1丁目5番2号