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フォードが乗車したまま充電できるEVステーションを開発、ユニバーサル仕様へ

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フォードが乗車したまま充電できるEVステーションを開発、ユニバーサル仕様へ

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▼ ニュースのポイント
①フォードが車内からスマホで操作できるロボットEV充電ステーションのプロトタイプを開発した。
②充電作業が困難な身体障がい者らの負担を軽減。
③将来は充電自動化の推進で無人の自動運転車への対応にも寄与する見通し。

電気自動車をより身近に、充電ステーションも皆に使いやすい仕様へ
 Ford Motorは現地時間の7月20日、ドライバーが電気自動車(EV)の車内にとどまったまま、スマートフォンを通じた操作で充電を行うことができる、ロボット充電ステーションのプロトタイプを開発したことを発表した。

 身体に不自由を抱えるドライバーや運動機能の低下したドライバー、高齢のドライバーなどでも大きな負担なく、容易に充電作業が行えるほか、ロボットが全作業を実行する間、ドライバーが車両から離れることも可能になる。

EV充電ステーション


 英国のResearch Institute for Disabled Consumers(RiDC)が昨年実施した調査で、身体障がいがあるドライバーの61%は、充電がより利用しやすくなった場合にのみ、EVの購入を検討すると回答しているなど、EVの普及には充電ステーションのユニバーサル仕様化もポイントになるとみられている。

 Ford Motorの取り組みは、こうした流れを受けたものといえる。同社では、EV向けのハンズフリー充電ソリューションと自律自動走行車向けの完全自動充電ソリューションの開発・研究プロジェクトを進めており、今回のロボットEV充電ステーション試験導入は、その一環と位置づけられている。

まずは身体障がい者向けの駐車スペースへ、将来は無人自動運転車の充電ニーズにも対応する方針
 Ford Motorの研究者らによるこのロボットEV充電ステーションのテストは、ラボ内での初期テストから、実際の場面における試験運用へと歩を進めた。

EV充電ステーション


 ドライバーがステーション近くにEVを停車させると、機器が起動してスライドカバーが開く。中からは充電用アームが伸び、小型カメラでコネクタの位置を確認、ケーブル接続を行い、充電を開始する。充電が完了すると、アームは自動で元の位置に戻り、格納されるという。

 充電コネクタの蓋を開くといった操作は、ドライバーがスマートフォンのアプリから実行でき、全操作を車内で座ったまま完了させられる。

 アプリはFordPassアプリで、車両状況や燃料レベルチェック、航続距離確認、ドアの遠隔ロック操作など、さまざまなコネクテッドサービスを実現するものと同一で、充電がどの程度進んだかもアプリ上でモニターすることが可能になっている。

 現在はドイツのドルトムント大学による特注品として開発が進んでいるが、実用化されれば、身体障がい者向けの駐車スペースや専用駐車場、個人宅などを中心に導入することが考えられている。

 企業が保有するEVの高速で効率的な充電方法として、応用導入される可能性もあるという。

 さらに将来的には、プロセスの完全自動化を見据えており、ドライバーの関与を最小限かゼロとする方針で、無人の完全自動走行車が必要な充電を行い、自律的に目的地へ到着、そこから元の場所へ帰ってくるといったことを叶えるインフラに活用することも想定されている。

 Ford Motorでは、欧州の全新車とバンを2035年からゼロエミッションとするべく、関連27社と共同で署名活動を実施し、電気自動車の成長に見合う充電インフラの充実化を訴えてきた。

 同社によると、市場のニーズを満たす十分な数と信頼性の高い充電ネットワークがあり、利用可能だと顧客に信頼してもらえるようにするには、EUと英国で週当たりの充電ステーション設置率を、平均10倍加速する必要があると推定しているという。

 これだけのインフラ開発は、政府やEU、自動車業界全体、エネルギー業界、地方自治体、消費者といった全体が参画する統合的アプローチが不可欠となるだろう。

 その動きを加速化させるため、Ford Motorでは、充電ネットワークプロバイダのIONITYとともに、ロボット充電ステーションのさらなる改良検討を予定しているほか、自動バレーパーキングと組み合わせたロボット充電ソリューションの研究も進めているという。

 EV普及に向けた動向として、今後の展開に注目したい。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

Ford Motor プレスリリース
https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/

▼ 会社概要
Ford Motorは米国の自動車メーカー。車両の大量生産工程、工業大規模マネジメント手法を科学的管理法として確立し、いち早く取り入れたことでも知られる。ベルトコンベアの導入や生産コストの圧倒的低減を実現した独自の生産方式「Fordism」でも有名。ヨーロッパでの生産は1911年に開始し、現在欧州部門が50の市場でフォードブランドの生産・販売・サービスを展開している。

社名:Ford Motor Company
CEO:Jim Farley
所在地:米国・Dearborn, Michigan

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