ニュースのポイント
①五洋建設がAIで土質定数を高精度に推定する「サウンディングAI」を開発。
②過去10年分のサウンディングデータや調査結果などをAIに学習させた。
③「サウンディングAI」を適用することで、経済性向上、期間短縮、効率化などが可能となる。
専門技術者に頼ることなく土質定数を高精度に推定
五洋建設は1月26日、地盤のサウンディング結果からAIで土質定数を推定する「サウンディングAI」を開発したと発表した。
サウンディングとは、地中に貫入した抵抗体に打撃や回転などの負荷を与えて得られる抵抗値から土質定数を推定する原位置地盤調査法のこと。
土質定数を推定するのは専門技術者で、サウンディングで得た抵抗値と、これまでの経験や近隣のボーリング調査結果などを総合的に判断して推定する。
今回のサウンディングAIは、専門技術者に頼ることなく、地盤強度の指標「N値」と土質分類の指標「細粒分含有率(Fc)」を高精度に推定するAIモデルだ。
同AIモデルでは、過去10年分のサウンディングデータやボーリング調査結果、各種土質試験結果などを、N値とFc の相関を考慮したマルチタスクにより学習させた。これにより、これまで専門技術者では把握できなかった特徴量も抽出できるようになり、推定精度が向上した。
効率化を実現し、人為的ミスも削減
同社では、サウンディングAIを通常のボーリング調査に適用することで、従来に比べ23%の経済性向上、35%の期間短縮、効率化が可能となり、技術者の負荷や人為的ミスも削減できるとしている。
また、既にロータリー式サウンディング10件の薬液注入工事で同AIが適用され、薬液注入の詳細な速度管理を実現したとしている。
(画像はプレスリリースより)
五洋建設 ニュースリリース
https://www.penta-ocean.co.jp/news/2023/230126.html▼ 会社概要
五洋建設は、準大手総合建設会社。海外大型工事の先駆で海洋土木の最大手でもある。
社名:五洋建設株式会社
代表取締役:清水琢三
所在地:東京都文京区後楽2-2-8