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AWSで開発環境一式を提供する「Amazon CodeCatalyst」誕生、ソフト開発の効率改善へ

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AWSで開発環境一式を提供する「Amazon CodeCatalyst」誕生、ソフト開発の効率改善へ

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▼ ニュースのポイント
①AWS上の統合ソフトウェア開発環境サービス「Amazon CodeCatalyst」プレビューリリースが発表された。
②重くなる開発環境整備の問題を解決、クラウド上で環境一式を迅速に提供する。
③既存サービスやSlack、GitHubなどとの組み合わせ利用も可能で応用範囲は広い。

年次イベントで発表
 Amazonを親会社とするAmazon Web Services(AWS)は現地時間の12月1日、ラスベガス開催の年次イベント「AWS re:Invent 2022」において、「Amazon CodeCatalyst」のプレビューリリースを発表した。

CodeCatalyst


 「Amazon CodeCatalyst」は、ソフトウェア開発チームが、AWS上でより迅速かつ容易にアプリケーションの計画立案から開発、コラボレーション、構築、配信など一連の工程を行えるようにする統合ソフトウェア開発・配信サービスで、開発作業の現場で生じている摩擦を減らし、効率向上につなげられるとされる。

 開発プロジェクトを始動させる際、使用するツールやライブラリ、プログラミングフレームワークを、開発者が自身のローカル開発環境や、新しいマシンにインストールする必要があることはもちろん、ソースコードレポジトリの作成、共有ツールのセットアップ、ビルドパイプラインなどの自動化ワークフローにおける設定、テスト環境構築など、本来の開発作業に取りかかるまでに必要なプロセスが非常に多く、時間を要するという問題がしばしば発生している。

 開発に着手しても、日々必要な開発環境とビルド環境のメンテナンス整備は、手間と労力を要する。情報共有などチーム間コラボレーションに適切なツールが見つかりにくく、やりとりに労力を要するケースもある。

 プロジェクト間でコンテキストを切り替え、矛盾する依存関係に対処しなければならない場合、とくにその作業で用いるマシンが1台しかない場合などでは、さらに負担が増大し、スムーズな開発・管理が行えなくなるという問題があった。

 開発者らの間からも、近年の開発はさらに複雑になっていることを指摘する声は多いといい、最新のフレームワークやライブラリ、ツール、クラウドサービス、継続的なインテグレーション、配信パイプラインなど、アプリケーション体験の実現に必要な選択肢が多く、それらから選んで組み合わせ、個々設定を行わねばならないことに由来している面が大きいという。

 かつては1人の開発者が1台のマシンで管理できたものも、いまや意思決定とトレードオフのネットワークが複雑で広大になり、分散したチーム間でダイナミックに扱わねばならない、うまく調整せねばならない必要性が当たり前に生じていることから、開発環境にさらなる困難をもたらすものとなっているとされた。

 そこで生み出されたのが「Amazon CodeCatalyst」である。実際のベテラン開発者やチームなどからフィードバックを受け、クラウド向けソフトウェアの構築時に、昨今一般的にみられている課題は何か、詳細に検討、問題を解消させ、円滑な作業を可能にする統一ツールを目指して作成が進められた。チーム共同作業やコラボレーションを容易にするための機能も追加し、プレビュー版の完成にこぎ着けている。

CodeCatalyst


すぐに開発へ着手できる、やりたいことに集中できる環境を支援
 「Amazon CodeCatalyst」には、初期設定として「Blueprints」と呼ばれる、リソース設定のソースコードレポジトリや、簡単に複製可能なオンデマンドのクラウドベース開発環境、コミット、プルリクエスト、デプロイメントにまたがる変更点の追跡が可能な課題管理機能、自動ビルドとテスト、デプロイを行うリリース(CI/CD)パイプライン、プロジェクト活動のフィードを表示するダッシュボード機能などが用意されている。

 チームへの招待は電子メール送付で簡単に行え、統一された検索機能により、ユーザーや課題、コード、そのほかのプロジェクトリソースなど、探しているものをいつでも簡単に見つけられる仕組みも整っている。

 このほかにも多くの機能が存在するが、とくに「Blueprints」には、プロジェクトの初期コードの足場になるものを提供するだけでなく、アプリケーション開発のライフサイクルとチームコラボレーションをサポートする共有プロジェクトのリソースを、あわせて数分でセットアップできる仕組みが存在する。

 作成するリソースには、ソースコードレポジトリ、初期サンプルコード、一般的なアプリケーションパターン向けのAWSサービス構成も含まれ、Web IDEとしてデフォルトで「Cloud9」の利用が可能になっている。

 必要に応じ、GitHubなどの外部レポジトリを代用することもでき、さらに課題トラッカーの追加、Jiraなど外部トラッカーの活用にも対応する。

 CI/CDパイプラインやアプリケーションをホストするAWSリソースなど、「Blueprints」を用いて設定されたプロジェクトリソースと統合ツールにより、デプロイを押せば数分でサンプルコードを実行できるようになるなど、すぐに本題のロジック構築へ取りかかれるようになるという。

 現時点で標準に用意されるのは、Typescript、Python、Java、.NET、JavaScriptなどの言語と、Angular、React、Vueといったフレームワーク。また、設計図作成から着手せずとも、LinuxとWindowsのOSで動作するものならば何でも、それをワークフローとし、プロジェクト構築が行える。

 オンデマンドクラウドベースの開発環境構成における定義はdevfileにより、現時点で2、4、8、16vCPUの4サイズをサポートしている。

 プロジェクトのコーディングやテスト、デバッグに必要なあらゆるリソースを定義・設定し、開発チームメンバーがローカルの開発環境を構築したり、維持したりすることに費やす時間を最小化する。

 Devfilesも必要に応じた変更が可能で、再構成することなく、複数のコードベースによる同時作業も容易になる。オンデマンドの特性を活かし、一時停止や再開、削除も簡単にできる。

 「Cloud9」のほか、ローカルマシンにある他IDEから作業することも可能で、さらにVisual Studio CodeやJetBrains Gatewayアプリを用い、JetBrains IDEから環境を作っていくこともできる。

 また、「Blueprints」で作成されたビルド・リリースのパイプラインは、柔軟に管理されたインフラストラクチャで実行され、ビルトインやパートナー提供のビルドアクションを組み込むことも、GitHub Actionsの組み込みで完全自動化のパイプラインとして構成することもできるという。設定はビジュアルエディタやYAMLファイルを使って行える。

 テスト環境と本番環境のセットアップを簡単にし、パイプラインを用いて1つまたは複数のリージョン、またはセキュリティのために複数のアカウントにデプロイすることを可能にしている。

CodeCatalyst


 「Amazon CodeCatalyst」は、統合ソフトウェア開発のサービスとして、あらゆるレベルの開発者がコラボレーションすることも容易になるようサポートする。電子メールなどで招待された新規開発者は、全コンテキストを確認し、プロジェクトの開発環境を用いてすぐに作業を開始することができるようになっており、必要ツールやライブラリ、そのほかの前提条件を満たすため、ローカルマシンを更新したり、再設定したりする手間は一切ない。

 メンバーは参加プロジェクトを選択し、最近のワークフロー状況、オープンなプルリクエスト、利用可能な開発環境など、最新状況の概要をいつでもすぐに確認できる。

 プレビュー版には、アプリケーションコードのほか、開発とデプロイをサポートする共有プロジェクトリソース、課題追跡、招待メールによるコラボレーション、自動ワークフローの足場となる「Blueprints」など、全てが含まれており、無償トライアルで利用することができる。詳細はユーザーガイドが公開されているため、そちらで確認してほしい。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

Amazon Web Services プレスリリース
https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/

▼ 会社概要
Amazon Web Services(AWS)は、Amazonを親会社として同名のクラウドコンピューティングサービスを提供する企業。クラウド全体でもトップの世界シェアを持ち、中でも企業システムなどにおけるIaaS分野では事実上の標準サービスとなっている。顧客はAWSで提供される多様なサービスを組み合わせることにより、最新技術をベースにした使いやすいITインフラをスムーズに構築できる。

社名:Amazon Web Services, Inc.
CEO:Adam Selipsky
所在地:米国・North Seattle, Washington


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