▼ ニュースのポイント
①ベンチャー企業のAlef Aeronauticsが自社初の空飛ぶ車「Model A」を公開した。
②路上走行と垂直離陸が可能で、すでに試作品モデルの先行予約が開始された。
③2025年には発売、2030年代には4人乗りセダンモデルも導入し、新たな富裕層の足として活用を見込む。
SF世界で見るような未来の車がいよいよ現実に
先端技術ベンチャーのAlef Aeronauticsは米国時間の19日、路上走行と垂直離陸が可能な空飛ぶ車として、初の試作品「Model A」を開発、公開した。既存の都市インフラに適合するもので、通常の路上を走行したり、駐車したりできることに加え、上空を飛行することができる。
すでに先行予約を開始しており、同社は2025年第4四半期にも本格的な生産を開始、最初の納入を行う予定とする。価格は通常予約が150ドル、優先予約が1,500ドルのデポジットで、30万ドルとなっている。
「Model A」は、走行距離200マイル、飛行距離110マイルを可能とする空飛ぶ車。分散型電気推進システム、非露出型のプロペラ、ソフトウェアによる広範な飛行安定化と安全のためのシステム、動翼(エレボン)安定化システム、全輪駆動を備える。
一般エリアの交通として利用できるよう、多くの安全機能を搭載しているが、主なものとしては、全ての主要コンポーネントの3倍から8倍の冗長性、リアルタイムで実行する1,000項目での診断チェック、飛行前のリジェクトスタート診断、障害物検知・回避機能などが挙げられている。
運転モードと飛行モードを自在に切り替えてスムーズに移動
Alef Aeronauticsは、年々高まる多様な交通ニーズに応える代替交通ソリューションを創造するテックベンチャーで、2015年から創業チームが空飛ぶ車の開発に取り組んできていた。2019年には、フルサイズ試作車のテスト走行とテスト飛行を実施している。
同社CEOのJim Dukhovny氏は、この「Model A」について、出発地から最終目的地まで、これまでの交通手段のどれよりも速く、最も便利なものとして、21世紀の都市と地方の両方における交通ニーズへの最新ソリューションになるとした。
運転モードと飛行モードを自在に選択して切り替えることで、道路状況や天候状況、インフラ状態に応じ、最適な経路を選択してスムーズでスマートな移動を叶えるという。
Alef Aeronauticsでは、追加モデルについても開発中で、2035年には4人乗りセダンの「Model Z」を35万ドルでリリースする予定であることを明かした。こちらは300マイル以上の飛行、220マイル以上の走行距離を可能にする見通しとなっている。
(画像はプレスリリースより)
Alef Aeronauticsによるプレスリリース(PR Newswire)
https://www.prnewswire.com/news-releases/alef▼ 会社概要
Alef Aeronauticsは、垂直離着陸と前方飛行を可能とし、公道走行も可能な乗用車の開発設計に取り組む新興企業。独自技術で上空の日常交通を生み出し、都市の渋滞問題を解消することなどを目指している。テスラに投資した最初のベンチャーキャピタルの1人であるTim Draper氏など、著名な投資家や航空関連業界のベテランから高い支持を得ている企業としても知られる。
会社名:Alef Aeronautics Inc
CEO:Jim Dukhovny
所在地:米国・Santa Clara, California