▼ ニュースのポイント
①NECが鉄道の輸送障害時にAIで最適復旧ダイヤを作成するプロトタイプシステムを構築。
②AIの「大規模システム最適化技術」を活用。
③鉄道運行用デジタルツインで実用性を検証する。
短時間で最適な復旧ダイヤを作成
NECは6月21日、鉄道の輸送障害時にAIで最適復旧ダイヤを作成するプロトタイプシステムを構築し、実用性の検証を進めると発表した。
輸送障害時の鉄道運行ダイヤ作成は従来、係員の経験に依存してきたが、人手不足などの影響により、効率的な運行維持とダイヤ作成業務の省力化が求められている。
今回開発された輸送障害時の復旧ダイヤ作成システムは、強化学習を搭載したAIの「大規模システム最適化技術」を活用したもので、短時間で最適な復旧ダイヤ作成を実現する。
鉄道運行用デジタルツインで実用性を検証
同社は、このシステムの実用性を、独自開発した鉄道運行用デジタルツインで検証。
この際、未経験の輸送障害をデジタルツイン上で発生させ、AIが対処方法を学習することで、短時間で効率的な復旧ダイヤを作成できるようにする。また、鉄道事業者のルールを順守するAIを協調的に動作させることで、ルール順守と効率性を両立したダイヤも作成できるという。
同社は今回、小田急電鉄の協力により、小田急小田原線の鉄道運行用デジタルツインで技術検証を実施。過去の輸送障害事例にて、列車の駅間停車を回避する復旧ダイヤ出力を可能とした。
同社は今後、復旧ダイヤ作成に留まらず、鉄道DXの一環として鉄道運行AIソリューションの可能性を検討するとともに、航空や物流業界などでも応用できるかを検討するとしている。
(画像はプレスリリースより)
NEC ニュースリリース
https://jpn.nec.com/press/202306/20230621_01.html▼ 会社概要
NECは、社会公共事業、社会基盤事業、エンタープライズ事業、ネットワークサービスなどを幅広く展開する企業。
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