▼ ニュースのポイント
①VerizonとMicrosoftが提携し新ソリューションの提供を開始する。
②リアルタイムエンタープライズアプリケーションの展開における超低遅延を実現。
③ARやVR、機械学習の活用、業務効率の改善、セキュリティレベルの高度化など未来のビジネスを支える基礎に。
Verizon 5G EdgeとMicrosoft Azure Stack Edgeを活用、新ソリューション提供へ
Verizonは米国時間の8月31日、Microsoftとの提携により、リアルタイムで稼働する高度なエンタープライズアプリケーションの導入において不可欠となるであろう超低遅延を実現する、オンプレミス向けプライベートエッジコンピューティングのソリューション提供を開始すると発表した。
「Verizon 5G Edge」と「Microsoft Azure Stack Edge」を活用したもので、これにより、新たなコンピューティングとストレージのサービスを顧客施設内におけるネットワークエッジへ導入、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、機械学習などに関わるアプリケーションに必要な低遅延と広帯域を実現し、業務効率の向上やセキュリティレベルの高度化も図れるとしている。
例えば小売業者が導入した場合、情報をほぼリアルタイムに処理し、データに基づく実用的な洞察を素早く獲得、在庫を正確かつ的確に管理し、スピーディで柔軟性をもった最適なサプライチェーンを構築することが可能になる。
また製造業であれば、資産のパフォーマンスを最大化し、オペレーションを最適化してスムーズな運営を実現、ダウンタイムを最小限に抑えながら、あらゆるプロセスを端から端まで可視化し、より素早くスマートな意思決定が可能な仕組みを作り上げられるとされる。
いずれもVerizonのプライベート5Gサービスである「On Site 5G」と組み合わせたエッジコンピューティングインフラ上で、ホストされているアプリケーションが提供するデータ分析をフルに活用することができるからこそ、可能になることだ。
効率性アップ!市場競争力を高める画期的ソリューションに
物流・サプライチェーンソリューション企業のIce Mobilityは、この「Verizon 5G Edge」と「Microsoft Azure Stack Edge」によるソリューションプラットフォームを導入し、コンピュータビジョンによる製品梱包作業支援を実施、現場での品質保証水準を向上させることに成功している。
Ice Mobilityでは、さらに5G Edgeアプリケーションの活用拡充を検討しており、ほぼリアルタイムのアクティビティベースで行われる原価計算算出など、幅広く自社ビジネスにおける自動化強化を推進する方針を示している。
Verizonによると、Ice Mobilityが追加導入を検討する新ソリューションでは、発生するさまざまな負荷や間接コストを、特定の顧客アカウントやピック・パックライン、倉庫内作業と結びつけて分析、最小化できるようになり、業務の効率性やビジネスにおける市場競争力を高められるという。
今回の提携とソリューション提供は、プライベートな5Gエッジコンピューティングの展開モデルが、実際の産業用ユースケースとしてビジネスの成長に拍車をかけられることを示したものであり、AIを活用したものなど、次世代のビジネスアプリケーションの利用を通じ、あらゆる業界での変革が進んでいく大きな一歩として注目されるだろう。
オンプレミス向けとして、セキュリティを強化した堅牢なシステムを構築できるようになっている点も大きい。提携するMicrosoftも、ビジネスの革新には常に強力な技術ソリューションが不可欠であり、今後その中心となるのはネットワークとエッジの交わりだとの見解を示した。
次世代産業の仕組み構築へ、今後の動向が注目される。
(画像はプレスリリースより)

Verizon プレスリリース
https://www.verizon.com/about/news/▼ 会社概要
ベライゾン・コミュニケーションズは、世界最大級のグローバルネットワーク・セキュリティ・クラウドプロバイダーとして事業を展開する大手電気通信事業者。2018年10月には、米国一部地区の一般家庭向けで世界初の商用5Gサービスを開始した。
社名:Verizon Communications Inc.
CEO:Hans Vestberg
所在地:ニューヨーク・ロウアーマンハッタン